問1 空気をゲージ圧力0.2 MPaに加圧したとき、窒素の分圧(絶対圧力)に最も近いものは次のうちどれか。
(1)約0.08MPa
(2)約0.16MPa
(3)約0.20MPa
(4)約0.24MPa
(5)約0.32MPa
空気中の窒素はおおよそ79%になります。そのため、例えば1MPaの空気の窒素分圧は0.79MPaになります。
ゲージ圧0.2MPaは絶対圧では0.3MPaになります。(ゲージ圧には大気圧0.1MPaが含まれていません)
窒素分圧は0.3MPa×0.79(窒素79%)=0.237MPa
答えは(4)
問2 体積600㎤で質量が400gの本片が下の図のように水面に浮いている。この木片の水面下にある部分の体積は約何㎤か。
(1)300㎤
(2)325㎤
(3)350㎤
(4)375㎤
(5)400㎤
浮力は押しのけられた液体の体積に等しくなります。
水は1g=1㎤になりますので、この木片は400gの体積分が沈んでおり、その体積は400㎤になります。
答えは(5)
問3 気体の性質に関し、正しいものは次のうちどれか。
(1)ヘリウムは、密度が極めて大きく、他の元素と化合しにくい気体で、呼吸抵抗は少ない。
(2)窒素は、化学的に安定した不活性の気体であり、高圧下でも麻酔性などの問題は生じない。
(3)二酸化炭素は、空気中に0.3~0.4%程度の割合で含まれている無色・無臭の気体で、人の呼吸の維持に微量は必要なものである。
(4)酸素は、無色・無臭の気体で、生命維持に必要不可欠なものであり、空気中の酸素濃度が高いほど人体に良い。
(5)一酸化炭素は、無色・無臭の気体で、物質の不完全燃焼などによって発生する。
ヘリウムは密度が小さい気体です。(密度が小さい=軽い気体です。風船に入っている気体はヘリウムで空気より軽いため空気に浮きます。)
窒素は高圧化で麻酔作用があり、窒素酔いの原因になります。
二酸化炭素の空気中の濃度は0.03~0.04%前後です。
酸素濃度が高すぎる場合には酸素中毒になる可能性があります。
答えは(5)
問4 窒素の水への溶解に関する次の文中の 内に入れるA及びBの語句の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
「温度が一定のとき、一定量の水に溶解する窒素の A は、その窒素の圧力に B 。」
A B
(1)質量 かかわらず一定である
(2)体積 反比例する
(3)質量 反比例する
(4)体積 比例する
(5)質量 比例する
液体に溶解する気体の体積は、分圧にかかわらず一定です。
液体に溶解する気体の質量は、分圧に比例します。
「質量は比例」して、「体積は一定」と覚えましょう。
答えは(5)
問5 水中における光や音に関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)水中では、音に対する両耳効果が減少し、音源の方向探知が困難になる。
(2)水は空気に比べ密度が大きいので、水中では音は空気中に比べ遠くまで伝播する。
(3)水中では、太陽光線のうち青色が最も吸収されやすいので、物が青のフィルターを通したときのように見える。
(4)濁った水中では、オレンジ色や黄色で蛍光性のものが視認しやすい。
(5)澄んだ水中でマスクを通して近距離にある物を見る場合、実際の位置より近く、また大きく見える。
水中では赤色が最も吸収されやすく、青色は吸収されにくい性質があります。
青色が吸収されにくく青色の光が多く届くため、青のフィルターを通したときのように見えます。
答えは(3)
問6 潜水の種類及び方式に関し、正しいものは次のうちどれか。
(1)全面マスク式潜水は、レギュレーターを介して送気する定量送気式の潜水である。
(2)ヘルメット式潜水は、金属製のヘルメットとゴム製の潜水服により構成された潜水器を使用し、操作は比較的簡単で、複雑な浮力調整が必要ない。
(3)ヘルメット式潜水は、応需送気式の潜水で、一般に船上のコンプレッサーによって送気し、比較的長時間の水中作業が可能である。
(4)自給気式潜水は、一般に閉鎖回路型スクーバ式潜水器を使用し、潜水作業者の行動を制限する送気ホースなどが無いので作業の自由度が高い。
(5)全面マスク式潜水は、水中電話の使用が可能である。
全面マスク式はレギュレーターを介して送気する「応需要送気式」です。(定量送気式とは常に空気が出続ける潜水器で、応需要式は吸った時だけ空気が出る潜水器になります。
ヘルメット式潜水はスーツ内に入る空気が多いため、浮力調整が難しくなります。
ヘルメット式潜水は定量送気式の潜水です。
自給式潜水は、一般的に開放型スクーバが一般的です。開放型は吐いた空気が水中に排出される潜水器で、閉鎖型は吐いた空気が水中に排出されない潜水器です。リブリーザーと呼ばれる閉鎖型回路もありますが一般的ではありません。
答えは(5)
問7 潜水業務における潮流による危険性に関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)潮流の速い水域での潜水作業は、減圧症が発生する危険性が高い。
(2)潮流は、千潮と満潮がそれぞれ1日に通常2回ずつ起こることによって生じる。
(3)潮流は、湾口、水道、海峡などの狭く、複雑な海岸線をもつ海域では弱いが、開放的な海域では強い。
(4)上げ潮と下げ潮との間に生じる潮止まりを憩流といい、潜水作業はこの時間帯に行うようにする。
(5)潮流の速い水域でスクーバ式潜水により潜水作業を行うときは、命綱を使用する。
潮流は、湾口、水道、海峡などの狭く、複雑な海岸線をもつ海域で強くなり、開放的な海域で弱くなります。
答えは(3)
問8 潜水墜落又は吹き上げに関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)潜水墜落は、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より低くなったときに起こる。
(2)潜水墜落では、ひとたび浮力が減少して沈降が始まると、水圧が増して浮力が更に減少するという悪循環を繰り返す。
(3)ヘルメット式潜水では、潜水作業者が頭部を胴体より下にする姿勢をとり、逆立ちの状態になってしまつたときに潜水墜落を起こすことがある。
(4)吹き上げは、ヘルメット式潜水のほか、ドライスーツを使用する潜水においても起こる危険性がある。
(5)吹き上げ時の対応を誤ると、逆に潜水墜落を起こすことがある。
ヘルメット式潜水で逆立ちの姿勢になると、スーツ内の空気を排出することが出来ないため、吹き上げの原因になります。
答えは(3)
問9 水中拘束又は溺れに関し、正しいものは次のうちどれか。
(1)水中拘束によって水中滞在時間が延長した場合であっても、当初の減圧時間をきちんと守って浮上する。
(2)送気ホースを使用しないスクーバ式潜水では、ロープなどに絡まる水中拘束のおそれはない。
(3)スクーバ式潜水では、些細なトラブルからパニック状態に陥り、正常な判断ができなくなり、くわえている潜水器を外してしまって溺れることがある。
(4)水が気管に入っただけでは呼吸が止まることはないが、気管支や肺に入ってしまうと窒息状態になって溺れることがある。
(5)ヘルメット式潜水では、溺れを予防するため、救命胴衣又はBCを必ず使用する
水中滞在時間が延長した場合は、実際に潜った時間で減圧所間を計算しなおす必要があります。
スクーバ式潜水でも水中拘束の危険性はあります。
水が気管に入っただけで反射的に呼吸が止まることがあります。
ヘルメット式潜水では、救命胴衣又はBCは使用しません。救命胴衣又はBCを使用するのはスクーバ式潜水になります。
答えは(3)
問10 特殊な環境下における潜水に関し、正しいものは次のうちどれか。
(1)河川での潜水では、流れの速さに特に注意する必要があるので、命綱を使用したり、装着するウエイト重量を増やしたりする。
(2)河口付近の水域は、一般に視界が悪いが、降雨により視界は向上するので、降雨後は潜水に適している。
(3)冷水中では、 ドライスーツよりウエットスーツの方が体熱の損失が少ない。
(4)汚染のひどい水域では、スクーバ式潜水が適している。
(5)山岳部のダムなど高所域での潜水では、海面より環境圧が低いため、通常よりも短い減圧時間で減圧することができる。
河口付近は降雨により視界が悪くなり、降雨後の潜水は適しません。
ドライスーツよりウエットスーツの方が耐熱の損失は大きくなります。(寒くなりやすい)
スクーバ式潜水は顔や口が水に触れているため、汚染のひどい水域では適しません。
水中と陸上の気圧の差が減圧症の原因です。環境圧が低い高所域での潜水では、減圧症のリスクが高いため減圧時間を長くする必要があります。
答えは(1)