問1 内容積12Lのボンベに空気が温度17℃ 、圧力1 8 MPa(ゲージ圧力)で充壌されている。このボンベ内の空気の質量に最も近いものは次のうちどれか。
ただし、温度17℃ 、0.1MPa(絶対圧力)における空気の密度は1.22kg/㎥とする。
(1)1.45kg
(2)1.85kg
(3)2.25kg
(4)2.65kg
(4)3.05kg
0.1MPa(絶対圧)で1㎥あたり1.22kgの質量があることになります。
ボンベの容積12Lを換算すると0.012㎥になり、この181倍(ゲージ圧18MPa)の空気が入っている事になりますので、0.012×181=2.17㎥の空気が入っている事にます。
1.22kg×2.17㎥=2.65kg
答えは(4)
問2 前間のボンベ内の空気が57℃ に熱せられたときのボンベ内の圧力(ゲージ圧力)に最も近いものは次のうちどれか。
ただし、0℃は絶対温度で273Kとする。
(1)8.5MPa
(2)19.5MPa
(3)20.5MPa
(4)21.5MPa
(5)22.5MPa
P(圧力)×V(体積)/T(絶対温度)=P(圧力)×V(体積)/T(絶対温度)の公式を使用します。
気温を絶対温度に変換する必要があります。摂氏から絶対温度への変換は、273をプラスしますので、17℃→290℃、57℃→330℃になります。
この場合ボンベの体積はともに変わりませんので無視することが可能になり、
18MPa/290℃=P/330℃になります。つまり、18MPa÷290℃×330℃=20.48MPa
答えは(3)
問3 気体の性質に関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)空気は、酸素が約78%、窒素が約21%及び二酸化炭素などのその他の気体が約1%で構成されている。
(2)気体にかける圧力を高くすると、体積も密度も小さくなる。
(3)酸素は、無色、無臭の気体で、生命維持に必要不可欠なものであり、空気中の酸素濃度が高ければ高いほど人体によい。
(4)二酸化炭素は、人体の代謝作用や物質の燃焼によって発生する無色、無臭の気体で、人の呼吸の維持に、徴量必要なものである。
(5)一酸化炭素は、物質の不完全燃焼などによって生じ、無色の有毒な気体であるが、異臭をもつため発見するのは容易である。
空気は酸素が21%、窒素が78%、その他が1%
気体にかける圧力を高くすると、体積は小さくなり密度は高くなる。
酸素濃度が高すぎると酸素中毒の危険性がある。
一酸化炭素は無色・無臭である。
答えは(4)
問4 気体の液体への溶解又は窒素の体内への溶解に関し、次のうち誤っているものはどれか。
ただし、その気体のその液体に対する溶解度は小さく、また、その気体はその液体と反応する気体ではないものとする。
(1)気体が液体に接しているとき、気体はヘンリーの法則に従って液体に溶解し、気体がその圧力下で液体に溶解して溶解度に達した状態を標準状態という。
(2)温度が一定のとき、一定量の液体に最大限溶解する気体の質量は、その気体の分圧に比例する。
(3)温度が一定のとき、一定量の液体に最大限溶解する気体の体積は、その気体の分圧にかかわらず一定である。
(4)潜降するとき、呼吸する空気中の窒素分圧の上昇に伴って、体内の血液や組織に溶解する窒素量も増加する。
(5)浮上するとき、呼吸する空気中の窒索分圧の低下に伴って、体内の血液や組織に溶解していた窒素が体内で気泡化することがある。
気体がその圧力下で液体に完全に溶解したことを「飽和」と言います。
答えは(1)
問5 水中における光や音に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)水中では、音に対する両耳効果が減少し、音源の方向探知が困難になる。
(2)水は空気に比べ密度が大きいので、水中では音は空気中に比べ遠くまで伝播する。
(3)水分子による光の吸収の度合いは、光の波長によって異なり、波長の長い赤色は、波長の短い青色より吸収されやすい。
(4)濁った水中では、オレンジ色や黄色で蛍光性のものが視認しやすい。
(5)光は、水と空気の境界では下図のように屈折し、顔マスクを通して水中の物体を見た場合、実際よりも大きく見える。
光は、水と空気の境界では、図とは異なり、点線より左側に屈折します。
答えは(5)
問6 ヘリウム・酸素混合ガス潜水に用いるヘリウムの特性に関し、次のうち誤っているのはどれか。
(1)高い圧力下であっても、窒素のような麻酔作用を起こすことがない。
(2)窒素に比べ、体内に溶け込む量が少なく、体内から排出される速度が大きい。
(3)無色、無味、無臭の極めて軽い気体で、呼吸抵抗が少ない。
(4)熱伝導性が小さいため、呼吸による潜水作業者の体熱損失が少ない。
(5)気体密度が小さいので、音声の歪みが大きく、言葉の明瞭度が低下する。
ヘリウムは呼吸による潜水作業者の熱損失が大きくなります。
答えは(4)
問7 潜水業務における潮流による危険性に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)潮流の速い水域での潜水作業は、減圧症が発生する危険性が高い,
(2)潮流は、千潮と満潮がそれぞれ1日に通常1回ずつ起こることによって生じる。
(3)潮流は、開放的な海域では弱いが、湾日、水道、海峡など複雑な海岸線をもつ海域では強くなる。
(4)上げ潮と下げ潮との間に生じる潮止まりを憩流といい、潜水作業はこの時間帯に行うようにする。
(5)潮流の速い水域でスクーバ式潜水により潜水作業を行うときは、命鋼を使用する。
干潮と満潮は1日に通常は2回ずつ起こる。
答えは(2)
問8 潜水墜落又は吹き上げに関し、次のうち誤っているもはどれか。
(1)潜水墜落は、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より低くなったときに起こる。
(2)潜水墜落では、ひとたび浮力が減少して沈降が始まると、水圧が増して潜水装備内の気体容積が縮小し、浮力が更に減少するという悪循環を繰り返す。
(3)ヘルメット式潜水では、潜水作業者に常に大量の空気が送気されており、排気弁の操作を誤ると吹き上げを起こすことがある。
(4)スクーバ式潜水は、送気式ではないので、潜水服としてウエットスーツ又はドライスーツのいずれを使用する場合も、吹き上げの危険性はない。
(5)吹き上げ時の対応を誤ると、逆に潜水墜落を起こすことがある。
スクーバ式潜水でもドライスーツを使用する場合などで吹き上げを起こす可能性がある。
答えは(4)
問9 溺れの原因及び予防に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)水が気管に入っただけでは呼吸が止まることはないが、気管支や肺に入ってしまうと窒息状態になって溺れることがある。
(2)作業船のスクリューに送気ホースが巻き込まれ、溺れることがある。
(3)スクーバ式潜水では、窒素酔いにより正常な判断ができなくなり、レギュレーターのマウスピースを外して溺れることがある。
(4)送気式潜水では、送気ホース取付部や継手部の破損が原因で溺れることがある。
(5)スクーバ式潜水では、溺れを予防するため、救命胴衣又はBC(浮力調整具)を着用する。
水が気管に入っただけで、反射的に呼吸が止まってしまうことがある。
答えは(1)
問10 特殊な環境下における潜水に関し、数のうち正しいものはどれか。
(1)河川での潜水では、流れの速さに対応して素早く行動するために、装着する鉛錘(ウエイト)の重さは少なくする。
(2)冷水中では、 ドライスーツよりウエットスーツの方が体熱の損失が少ない。
(3)河口付近の水域は、一般に視界が悪いが、降雨により視界は向上するので、降雨後は潜水に適している。
(4)汚染のひどい水域では、スクーバ式潜水は不適当である。
(5)山岳部のダムなど高所域での潜水では、海面に比べて環境圧が低いので、海洋での潜水よりも減圧浮上時間は短くできる。
流れの早い河川等では、ウエイトを重くすることがある。
ドライスーツの方が熱損失は少ない。
河口付近は降雨などにより視界は悪化する。
高所域での潜水は、環境圧が低いため、減圧浮上時間は長くなる。
答えは(4)