潜水士

2014年(平成26年)7月~12月の潜水士試験の過去問の解説

2014年の過去問を解いて潜水士試験一発合格を目指そう!!

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潜水業務

問1 圧力の単位に関する次の文中の   内に入れるA及びBの数値の組み合わせとして、正しいものは(1)から(5)のうちどれか。
「圧力計が50barを指している。この指示値をSI単位に換算すると A Mpaとなり、また、この値を気圧の単位に換算すると概ね B atmとなる。」
    A    B
(1)0.5  0.5
(2)0.5  5
(3)5    5
(4)5    50
(5)50   50

単位の換算になります。
10bar=1Mpa=10atmを覚えましょう。
答えは(4)


問2 体積500㎤で質量が350gの木片が下図のように水面に浮いている。この木片の水面下にある部分の体積は何㎤か。
木片の浮力
(1)300㎤
(2)325㎤
(3)350㎤
(4)375㎤
(5)400㎤

押しのけられた水の量だけ浮力が発生する事になります。
質量が350gと言うことは、浮いているため浮力も350g発生しています。
350gの水の量は350㎤になります。
答えは(3)


問3 気体の性質に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)二酸化炭素は、人体の代謝作用や物質の燃焼によって発生する無色、無臭の気体で、人の呼吸の維持に微量必要な物である。
(2)窒素は、無色、無臭で常温では科学的に安定した不活性の気体であるが、高圧下では麻酔作用がある。
(3)酸素は、無色、無臭の気体で、生命維持に必要不可欠なものであり、人体には呼吸ガス中の酸素濃度が高ければ高いほどよい。
(4)ヘリウムは、無色、無臭で科学的に非常に安定した、極めて軽い気体である。
(5)一酸化炭素は、無色、無臭の有毒な気体で、物質の不完全燃焼などによって発生する。

酸素濃度が高いと酸素中毒の危険性が有ります。その為高いほどよい訳ではない。
答えは(3)


問4 気体の液体への溶解に関し、次のうち誤っているものはどれか。
ただし、温度は一定であり、その気体のその液体に対する溶解度は小さく、また、その液体と反応する気体ではないものとする。
(1)気体が液体に接しているとき、気体はヘンリーの法則に従って液体に溶解する。
(2)気体がその圧力下で液体に溶解して溶解度に達した状態、すなわち限度いっぱいまで溶解した状態を飽和と言う。
(3)水深20mの圧力下において一定量の水に溶解する気体の質量は、水深10mの圧力下において溶解する物質の2倍となる。
(4)潜降するとき、呼吸する空気中の窒素分圧の上昇に伴って体内に溶解する窒素量も増加する。
(5)浮上するとき、呼吸する空気中の窒素分圧の上昇に伴って、体内に溶解していた窒素が体内で気泡化することがある。

溶解する気体の量は、絶対圧に比例します。
20mは3気圧、10mは2気圧なので1.5倍が正解。
答えは(3)


問5 水中における光や音にかんし、次のうち正しいものはどれか。
(1)水中では、物が青色のフィルターを通したときのように見えるが、これは青い光が水に最も吸収されやすいからである。
(2)水中では、音に対する両耳効果が減少し、音源の方向探知が困難になる。
(3)光は、水と空気の境界では、下図のように屈折し、顔マスクを通して水中の物体を見た場合、実際よりも大きく見える。
光の屈折
(4)澄んだ水中で顔マスクを通して近距離にある物を見た場合、物体の位置は実際より遠くに見える。
(5)水は、空気と比べ密度が大きいので、水中では音は長い距離を伝播することができない。

赤が最も吸収されやすく、青が吸収されにくい。
図の光の屈折は逆に曲がっています。
水中の物体は、実際より大きく近く見える。
「水は密度が大きい」は正解ですが、空気中より長い距離を伝播する事が出来る。
答えは、(2)


問6 潜水の種類、方式に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)ヘルメット式潜水器は、金属製のヘルメットとゴム製の潜水服により構成され、潜水器の構造が簡単であるが、その操作には熟練を要する。
(2)フーカー式潜水は、レギュレターを介して送気する定量送気式の潜水である。
(3)送気式潜水は、一般に船上のコンプレッサーを介して送気し、比較的長時間の水中作業が可能である。
(4)自給式潜水で一般的に使用されている潜水器は、開放回路型スクーバ式潜水器である。
(5)全面マスク式潜水は、応需送気式の潜水で、顔面全体を覆うマスクにデマンド式レギュレターが取り付けられた潜水器を使用し水中電話の使用が可能となっている。

定量送気式は常に空気が出続ける装置のことです。レギュレターは吸った時だけ空気が出るため、定量送気式では無い。
答えは(2)


問7 潜水業務の危険性に関し、次のうち誤っているのもはどれか。
(1)コンクリートブロック、漁礁等を取り扱う水中作業においては、潜水作業者が動揺するブロック等に挟まれたり、送気ホースがブロック等の下敷きになったり、送気が途絶することがある。
(2)水中での溶接・溶断作業では、ガス爆発の危険は無いが、感電する危険がある。
(3)漁獲物を身に付けたままの状態でいると、サメの攻撃を受ける危険がある。
(4)海中の生物による危険には、みずたこ、うつぼ等によるかみ傷、ふじつぼ等による切り傷のほか、いもがい類、がんがぜ等による刺し傷がある。
(5)潜水作業中、海上衝突を予防するための、潜水作業船に下図に示す国際信号書A旗板を掲示する。
潜水旗

水中でも「ガス爆発」と「感電」の恐れが有ります。
答えは(2)


問8 潜水転落又は吹き上げに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)潜水転落は、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より低くなったときに起こる。
(2)ヘルメット式潜水において、潜水服のベルトの締め付けが不足すると浮力が減少し、潜水墜落の原因となる。
(3)吹き上げは、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より高くなったときに起こる。
(4)吹き上げは、ヘルメット式潜水のほか、ドライスーツを使用する潜水においても起こる可能性がある。
(5)吹き上げ時の対応を誤ると潜水墜落を起こすことがある。

ヘルメット式潜水での潜水転落の原因は、送気量の不足と排気弁の調整の失敗が主な原因です。
答えは(2)


問9 水中拘束又は溺れに関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)水中拘束によって水中滞在時間が延長した場合であっても、当初の減圧時間をきちんと守って浮上する。
(2)送気ホースを使用しないスクーバ式潜水では、ロープなどに絡まる水中拘束のおそれはない。
(3)送気式潜水では、溺れを予防するため、潜水作業船にクラッチ固定装置やスクリュー覆いを取り付ける。
(4)水が気管に入っただけでは呼吸が止まることはないが、気管支や肺に入ってしまうと窒息状態になって溺れることがある。
(5)ヘルメット式潜水では、溺れを予防するための、救命胴衣又はBCを必ず着用する。

潜水時間が延びたら減圧時間も増えるため、再計算が必要。
スクーバ式潜水でも、水中拘束はその他の物が原因で起こることがある。
水が鼻に入っただけでも反射的に呼吸が止まってしまうことがある。
溺れ防止のために救命胴衣又やBCを着用するのはスクーバ式潜水。
答えは(3)


問10 特殊な環境下における潜水に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)暗渠潜水は、機動性に優れているスクーバ式潜水により行われる事が多いが、非常に危険であるので、緊急時の呼吸ガス設備や救援にあたる潜水者の配置等、考え得る最高の安全管理体制で臨む必要がある。
(2)冷水中では、ウエットスーツよりドライスーツの方が体熱の損傷が少ない。
(3)河口付近の水域は、一般に視界が悪いが、降雨後は潜水に適している。
(4)冷水域での全面マスク式潜水では、呼吸器のデマンドバルブ部分が凍結することがあるので、凍結防止対策が施された潜水器を使用する。
(5)山岳部のダムなどの高所域での潜水では、通常の海洋での潜水よりも長い減圧浮上時間が必要となる。

河口付近の降雨後は、濁りがひどくなり適していない。
答えは(3)

送気、潜降及び浮上

問11 ヘルメット式潜水の送気系統を示した下図において、AからCの設備の名称の組み合わせとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
      A       B        C
(1)予備の空気槽   調節用空気槽   空気清浄装置
(2)調節用空気槽   予備空気槽    空気清浄装置
(3)調節用空気槽   空気清浄装置   予備空気槽
(4)コンプレッサー  調節用空気槽   予備空気槽
(5)コンプレッサー  予備空気槽    調節用空気槽
送気系統図

送気系統の図を覚えましょう。
答えは(5)


問12 送気式潜水に使用する設備・器具に関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)送気ホースは、通常、全面マスク式潜水では呼び径が13mm、ヘルメット式潜水では呼び径が8mmのものが使われている。
(2)送気ホースには、比重により沈用、半浮用。浮用の3種類のホースがあり、作業内容によって使い分けられる。
(3)流量系は、コンプレッサーと調節用空気槽の間に取り付けて、潜水作業者に送られる空気量を測る計器である。
(4)フェルトを使用した空気清浄装置は、潜水作業者に送る圧縮空気に含まれる水分と油分のほか、二酸化炭素と一酸化炭素を除去する。
(5)終業後、調節用空気槽は、内部に0.1Mpa(ゲージ圧力)程度の空気を残すようにしておく。

全面マスク式は吸った分だけ空気を使用するのに対し、ヘルメット式は常に空気がヘルメット内に送気されています。そのため、ヘルメット式は空気が沢山要るので径が広くなります。
流量系は調整用空気槽と潜水作業者の間に取り付けます。
フェルトを使用した空気清浄装置は、臭気・水分・油分を取り除くもので、二酸化炭素や一酸化炭素は取り除かれない。
就業後は残った空気をドレーンコックから全て排出しておく。
答えは(2)


問13 スクーバ式潜水における潜降の方法等に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)船の舷から水面までの高さが1.5mを超えるときは、船の甲板等から足を先にして水中に飛び込むことはしない。
(2)潜降の際は、口にくわえたレギュレターのマウスピースに空気を吹き込み、セカンドステージの低圧室とマウスピース内の水を押し出してから、呼吸を開始する。
(3)潜降時、耳に圧迫感を感じたときは、2~3秒その水深に止まって耳抜きをする。
(4)体調不良などで耳抜きがうまくできないときは、耳栓を使用して耳を保護し、潜水する。
(5)潜水中の遊泳は、通常は両腕を伸ばして体側に付けて行うが、視界のきかないときは腕を前方に伸ばして障害物の有無を確認しながら行う。

耳抜きが上手くできない場合に耳栓をしても、耳が痛くならない訳ではありません。さらに鼓膜と耳栓の間にも圧平衡出来ない空間が出来てしまいますので、耳栓をしての潜水は出来ません。
答えは(4)


問14 ヘルメット式潜水における浮上の方法(緊急時処置を含む。)に関し次のうち誤っているものはどれか。
(1)潜水作業者は連絡員と浮上の連絡をかわしたら、潜行索の下に戻り、排気弁などで浮力調整をしながら、徐々に浮上する。
(2)潜水作業者が浮力調整で浮上できず、潜降索をたぐってふじょうするときは、連絡員が潜降索を引き上げ、浮上を補助する。
(3)潜水深度や潜水時間の関係で浮上停止を行う必要がある場合は、3mごとの所定の水深で所定時間、浮上停止を行う。
(4)無停止減圧の範囲内の潜水でも安全のための浮上停止(セーフティストップ)を、水深10mの位置でおこなう。
(5)緊急浮上を要する場合は、所定の浮上停止を省略し、又は所定の浮上停止時間を短縮して水面まで浮上し、できるだけ速やかに再圧室に入って加圧を受ける。

無停止減圧の場合に浮上停止を行うことは良いのですが、水深は6mまたは3mで行います。
答えは(4)


問15 ヘルメット式潜水器に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)排気弁は、潜水作業者自身が頭で押して操作する。
(2)ヘルメットの送気ホース取付部には、送気された空気が逆流することがないよう、逆止弁が設けられている。
(3)ドレーンコックは、送気中の水分や油分をヘルメットの外へ排出するときに使用する。
(4)ヘルメットは、頭部本体とシコロで構成され、シコロのボルトを蝶ゴムのボルト孔に通し、上から押さえ金を当て蝶ねじで締め付けて潜水服に固定する。
(5)潜水服内の空気が下半身に入り込まないようにするため、腰部をベルトで締め付ける。

ヘルメット式潜水のドレーンコックは唾(ツバ)などを吐き出すための物です。
答えは(3)


問16 スクーバ式潜水器に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)空気専用ボンベは、表面積の1/2以下がねずみ色で塗装されている。
(2)ボンベ内の空気残量を把握するため取り付ける残圧計には、ボンベの高圧空気が送られる。
(3)圧力調整器は、高圧空気を1Mpa(ゲージ圧力)前後に減圧する第1弾減圧部と、更に潜水深度の圧力まで減圧する第2段減圧部から構成される。
(4)ボンベは、終業後十分に水洗いを行い、錆の発生の有無やキズ、破損などがないかを確認し、内部に空気を残さないようにして保管する。
(5)リザーブバルブ機構は、ボンベ内の圧力が所定の値にまで下がると、いったん空気の供給を止める機能をもつ。

スクーバ式のタンクの場合は、タンク内部への水の逆流による錆などを防ぐため、空気を残して保管する。
答えは(4)


問17 潜水業務に必要な器具に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)水深計には、2本の指針で現在の水深と潜水中の最大深度を表示する方式のものがある。
(2)潜降索は、マニラ麻製又は同等の強度をもつのもで、1~2㎝程度の太さのものとし、水深を示す目印として3mごとにマークを付ける。
(3)スクーバ式潜水で使用するウエットスーツには、レギュレターから空気を入れる吸気弁とスーツ内の余剰空気を排出する排気弁が付いている。
(4)ヘルメット式潜水で使用する潜水服は、体温保持と浮力調整にため内部に相当量の空気を蓄えることができる。
(5)スクーバ式潜水で使用する足ヒレ(フィン)には、ブーツをはめ込むフルフットタイプと、ブーツの爪先だけを差し込み踵をストラップで固定するオープンヒルタイプとがある。

レギュレターから空気を入れる吸気弁とスーツ内の余剰空気を排出する排気弁が付いているのは、ドライスーツになります。
答えは(3)


問18 高気圧作業安全衛生規則別表第2で示されている潜水業務用時間表に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)ガス圧減少時間として、潜水深度と潜水時間に応じて業務間と業務終了後に与えなければならない最小時間が示されている。
(2)潜水時間とは、潜水作業者が潜降を開始した時から浮上を開始する時までの時間をいう。
(3)体内ガス圧係数とは、浮上したときに体内に残っている窒素ガス分圧と酸素ガス分圧との比である。
(4)潜水業務用時間表は、水深10mを超える場所における潜水業務に関する表である。
(5)潜水深度にかかわらず、1日の潜水回数の限度は定められていない。

体内ガス圧係数は「浮上時」と「潜水前」の体内窒素ガス分圧との比です。
答えは(3)


問19 1日2回の潜水業務を1回目15m、2回目31mの深度で行うこととし、潜水時間70分で1回目を行った後、船上で60分安静にした場合、2回目の潜水時間の限度に最も近いものは次のうちどれか。
(本問及び次問については、別表A及びBを用いて算出すること。)
(1) 50分
(2) 88分
(3) 95分
(4)128分
(5)133分

別表の使い方は、「潜降及び浮上に関する基礎知識」のページを確認できます。
答えは(2)
※2015(H27)年4月1日から「高気圧作業安全衛生規則」が改正されました。改正に伴い、こちらの表を使用する問題は出題されなくなりました。

問20 前問の場合において、2回目の潜水時間を45分としたとき、浮上停止の位置と浮上を停止しなければならない最少時間は次のうちどれか。
(1)水深9mで21分、水深6mで27分、水深3mで55分
(2)水深9mで17分、水深6mで27分、水深3mで48分
(3)水深9mで7分、水深6mで27分、水深3mで33分
(4)水深6mで16分、水深3mで22分
(5)水深6mで9分、水深3mで22分

別表の使い方は、「潜降及び浮上に関する基礎知識」のページを確認できます。
答えは(3)
※2015(H27)年4月1日から「高気圧作業安全衛生規則」が改正されました。改正に伴い、こちらの表を使用する問題は出題されなくなりました。

高気圧障害

問1 肺及び呼吸ガスに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)肺は、フイゴのように膨らんだり縮んだりして空気を出し入れしているが、肺自体には運動能力はない。
(2)肺の表面と胸郭内部の面は、胸膜で覆われており、両者間の空間を胸膜腔という。
(3)肺呼吸は肺内に吸い込んだ空気中の酸素を取り入れ、血液中の二酸化炭素を排出するガス交換である。
(4)ガス交換は、肺胞及び呼吸細気管支で行われるが、そこから口・鼻側では行われない。
(5)通常の空気中の二酸化炭素濃度は0.04%程度であるが、呼気中のそれは0.4%前後となる。

呼吸により酸素が吸収されて、二酸化炭素が排出されます。その為。呼気中の二酸化炭素濃度は3~6%程になります。
答えは(5)


問2 ヒトの神経系に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)神経系は、身体を環境に順応させたり動かしたりするために、身体の各部の動きや連携の統制を司る。
(2)神経系は、中枢神経系と末梢神経系から成る。
(3)中枢神経系は、脳と脊髄から成るが、脳は特に多くのエネルギーを消費するため、脳への酸素供給が3分間途絶えると修復困難な障害を受けるとされる。
(4)末梢神経系は、体性神経と自律神経から成る。
(5)体制神経は、交感神経と副交感神経から成り、運動と感覚の作用を調整している。

体制神経は、運動神経や知覚神経などのことです。
交感神経と副交感神経は、自律神経(興奮やリラックスを司る)の事です。
答えは(5)


問3 正面から見たヒトの血液循環経路の一部を模型式に表した下図について、次の記述のうち誤っているものはどれか。
血液循環経路
(1)血管Aは、肺静脈である。
(2)心臓のBの部分は、右心房である。
(3)血管Cは、大動脈である。
(4)心臓のDの部分は、左心室である。
(5)血管Eでの血液の流れる方向は、bである。

心臓から出た血液は脈が強く動脈になります。その為、Aは肺動脈になります。
答えは(1)


問4 人体に及ぼす水温の作用及び体温に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)体温は、代謝によって生じる産熱と、人体と外部環境の温度差に基ずく放熱のバランスによって保たれる。
(2)一般に水温が20℃以下の水中では、保温のためのウエットスーツやドライスーツの着用が必要となる。
(3)水は空気より熱伝導率や比熱が大きいので、水中では陸上より体温が奪われやすい。
(4)低体温症は、全身が冷やされて体内温度が25℃以下まで低下したとき発生し、意識消失、筋の硬直などの症状がみられる。
(5)低体温症に陥った者にアルコールを摂取させると、皮膚の血管が拡張し体表面からの熱損失を増加させるので絶対に避けなければならない。

低体温症は体温が35度以下に下がった場合です。平熱より2度ほど下がっただけで人間は生命活動が出来なくなります。
答えは(4)


問5 潜水によって生じる圧外傷に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)圧外傷は、水圧による疾患の代表的なものであり、水圧が身体に不均等に作用することで生じる。
(2)圧外傷は、潜降、浮上いずれのときも生じ、潜降時のものをスクィーズ、浮上時のものをブロックと呼ぶことがある。
(3)潜降時の圧外傷は、潜降による圧力変化のために体腔の容積が増えることで生じ、中耳腔や副鼻腔又は面マスクの内部や潜水服と皮膚の間などで生じる。
(4)深さ1.8mのような浅い場所での潜水でも圧外傷が生じることがある。
(5)虫歯になって内部に密閉された空洞ができた場合、その部分で圧外傷が生じることがある。

潜降時とは深く潜っていくときの事です。その為、水圧が大きくなり体腔の体積は減っていきます。
答えは(3)


問6 潜水によって生じる空気塞栓症に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)空気塞栓症は、急浮上などによる肺の過膨張が原因となって発症する。
(2)空気塞栓症は、肺胞の毛細血管から侵入した空気が、心臓を介して動脈系の末梢血管を閉塞することにより起こる。
(3)空気塞栓症は、脳においてはほとんど認められず、ほぼすべてが心臓において発症する。
(4)空気塞栓症は、一般には浮上してすぐに意識障害や痙攣発作等の重篤な症状を示す。
(5)空気塞栓症を予防するには、浮上速度を守り、常に呼吸を続けながら浮上する。

空気閉塞症とは肺空気が膨張し、肺が破れ血液中に空気が入ってしまう症状です。
心臓など太い血管では詰まらず、脳などの毛細血管に空気が詰まり血液が流れなくなる事が多いです。
答えは(3)


問7 潜水業務における酸素中毒に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)酸素中毒は、中枢神経が冒される脳酸素中毒と肺が冒される肺酸素中毒に大きく分けられる。
(2)脳酸素中毒の症状には、吐き気やめまい、耳鳴り、筋肉の震え、痙攣発作などがあり、特に痙攣発作が潜水中に起こると多くの場合致命的になる。
(3)肺酸素中毒の症状は、軽度の胸部違和感、咳、痰などが主なもので、致命的になることは通常は考えられないが、肺活量が減少することがある。
(4)脳酸素中毒は、0.5気圧程度の酸素分圧の呼吸ガスを長時間吸収したときに生じ、肺酸素中毒は、1.4~1.6気圧程度の酸素分圧の呼吸ガスを短時間呼吸したときに生じる。
(5)炭酸ガス中毒に罹患すると、酸素中毒にも罹患しやすくなる。

脳酸素中毒は、1.4~1.6程度の酸素分圧を超えると起こる。
肺酸素中毒は、0.5程度の酸素分圧を長時間呼吸した場合に起こる。
答えは(4)


問8 窒素酔いに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)一般に、水深が40m前後になると、潜水作業者には酒に酔ったような状態の窒素酔いの症状が現れる。
(2)飲酒、疲労、不安等は、窒素酔いを起こしやすくする。
(3)窒素酔いにかかると、総じて気分が憂うつとなり、悲観的な考え方になるが、その症状には個人差もある。
(4)窒素酔いが誘因となって正しい判断ができず、重大な結果を招くことがある。
(5)深い潜水における窒素酔いの予防のためには、呼吸ガスとして、空気の代わりにヘリウムト酸素の混合ガスなどを使用する。

窒素酔いは気分が楽観的で大雑把になります。
答えは(3)


問9 潜水業務への就業が禁止されている疾患に該当しないものは、次のうちどれか。
(1)神経痛
(2)高血圧症
(3)貧血症
(4)色覚異常
(5)中耳炎

潜水に関する疾患に関して視力の項目は有りません。
答えは(4)


問10 一次救命処置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)傷病者に反応がない場合は、気道を確保した後、約1分間呼吸の様子を観察し、普段どおりの息(正常な呼吸)が無いと判断した場合に、心配蘇生を行う。
(2)しゃくりあげるような途切れ途切れの呼吸で、肺と腹部の動きが普通どおりでない場合は、心停止の直後にみられる死戦期呼吸と判断する。
(3)気道確保は、頭部後屈・あご先挙法により行う。
(4)胸骨圧迫と人工呼吸を実施する場合には、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返す。
(5)AED(自動体外式除細動器)を用いた場合、電気ショックを行った後や電気ショック不要の音声メッセージが出たときには、胸骨圧迫を再開し心肺蘇生を続ける。

呼吸の確認に気道の確保は必要なく、確認に時間を掛けず10以内に行う。
答えは(1)

関係法令

問11 空気圧縮機によって送気を行い、潜水作業者に圧力調整器を使用させて潜水業務を行わせる場合、潜水作業者ごとに備える予備空気槽の最少量の内容量の容積V(L)を計算する式は、法令上、次のうちどれか。
ただし、Dは最高の潜水深度(m)、Pは予備空気槽内の圧力(Mpa)でゲージ圧力を示す。
(1)V=40(0.03D+0.4)/P
(2)V=40(0.03P+0.4)/D
(3)V=60(0.03D+0.4)/P
(4)V=60(0.03P+0.4)/D
(5)V=80(0.03D+0.4)/P

圧力調整器を使用する場合は、掛ける数字が40の公式を使います。
割る数字は必ずP(予備空気槽の圧力)になります。
答えは(1)


問12 潜水業務に伴う業務に係る特別の教育に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)潜水作業者への送気の調節を行うたものバルブ又はコックを操作する業務に就かせるときは、特別の教育を行わなければならない。
(2)再圧室を操作する業務に就かせるときは、特別の教育を行わなければならない。
(3)空気圧縮機及び空気槽の点検の業務に就かせるときは、特別の教育を行わなければならない。
(4)特別の教育を行ったときは、その記録を作成し、これを3年間保管しなくてはならない。
(5)特別の教育の科目の全部又は一部について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、その科目についての教育を省略することができる。

特別な教育が必要な作業者は、送気を調整する送気員と再圧室を操作する作業者です。
答えは(3)


問13 潜水業務に係る潜降、浮上に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)潜水作業者の潜降速度は、毎分10m以下と定められている。
(2)潜水作業者の浮上速度は、事故のため緊急浮上させる場合を除き、毎分10m以下と定められている。
(3)水深は10m未満の場所の潜水業務においても、潜水作業者にさがり綱を使用させなければならない。
(4)緊急浮上後、潜水作業者を再圧室に入れて加圧するときは、毎分0.08Mpa以下の速度としなければならない。
(5)潜水業務を行うときは、潜水作業者に純酸素を吸入させてはならない。

潜降する時の速度は特に定め無く、毎分10m以下の速度は浮上時の速度です。
答えは(1)


問14 空気圧縮機により送気して行う潜水業務においては、法令により、特定の設備・器具について、一定期間ごとに1回以上点検しなければならないと定められているが、次の設備・器具とこの期間との組み合わせのうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)空気圧縮機・・・・・1週間
(2)空気清浄装置・・・・1か月
(3)水深計・・・・・・・3か月
(4)水中時計・・・・・・3か月
(5)流量系・・・・・・・6か月

水深計の点検は1か月に1回です。
答えは(3)


問15 送気式潜水業務における連絡員に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)事業者は、潜水作業者2人以下ごとに1人の連絡員を配置しなければならない。
(2)連絡員は、潜水作業者との連絡をとり、その者の潜降や浮上を適正に行わせる。
(3)連絡員は、潜水作業者への送気調整を行うためのバルブ及びコックの異常の有無を点検し、操作する。
(4)連絡員は、送気設備の故障その他の事故により、潜水作業者に危険又は健康障害の生ずるおそれがあるときは、速やかに潜水作業者に連絡する。
(5)連絡員は、ヘルメット式潜水器を用いる潜水業務にあたっては、潜降直前に潜水作業者のヘルメットがかぶと台に結合されているかどうかを確認する。

送気の調整(バルブやコックの操作)を行うのは、特別の教育を受けた送気員の仕事です。
送気員と潜水者の連絡役であり、直接操作する事は出来ない。
答えは(3)


問16 潜水作業者の携行物に関する次の文中の□内に入れるA及びBの語句の組み合わせとして、法令上、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
「空気圧縮機により送気して行う潜水業務を行うときは、潜水作業者に、信号索、水中時計、水深計及び A を携行させなければならない。ただし、潜水作業者と連絡員とが通話装置により通話することができることとしたときは、潜水作業者に水中時計、 B を携行させないことができる。」
    A       B
(1)コンパス    水深計
(2)コンパス    コンパス
(3)浮上早見表   信号索及び浮上早見表
(4)鋭利な刃物   信号索及び水深計
(5)鋭利な刃物   鋭利な刃物及び水深計

携行品は法令上決まっています。
関係法令の基礎知識のページを覚えましょう。
答えは(4)


問17 潜水業務に常時従事する労働者に対して行う高気圧業務健康診断に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)健康診断は、雇い入れの際、潜水業務への配置替えの際及び潜水業務についた後6か月以内ごとに1回、定期におこなわなければならない。
(2)水深10m未満の場所で潜水業務に常時従事する労働者についても、健康診断をおこなわなければならない。
(3)定期に行った健康診断を受けた労働者のうち、無所見の物を除き、再検査を必要とする者及び異常の所見があると診断された者に対し、延滞なく、健康診断結果の通知を行わなければならない。
(4)健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者については、健康診断実施日から3か月以内に医師の意見を聴かなければならない。
(5)健康診断の結果に基づき、高気圧業務健康診断個人表を作成し、これを5年間保存しなければならない。

定期に行った健康診断は、管轄の労働基準監督署長に提出が必要。
また、異常の所見が有った場合には、医師による追加の健康診断が必要。
答えは(3)


問18 再圧室に関する次のAからDまでの記述について、法令上、正しいものの組み合わせは、(1)~(5)のうちどれか。
A 再圧室を設置した場所及び再圧室を操作する場所に必要のある者以外の者が立ち入ることを禁止し、その旨を見やすい個所に表示しておかなければならない。
B 再圧室を使用するときは、再圧室の操作を行う者に、加圧及び減圧の状態その他異常の有無について常時監視させなければならない。
C 再圧室は、出入りに必要な場合を除き、主室と副室との間の扉を閉じ、かつ、副室の圧力は主室の圧力よりも低く保たなければならない。
D 再圧室については、設置時及び設置後3か月を超えない期間ごとに一定の事項について点検しなければならない。
(1)A、B
(2)A、C
(3)A、D
(4)B、C
(5)C、D

主室と副室の圧力を等しく保つ必要がある。
再圧室の点検は、使用する日は毎日必要です。
答えは(1)


問19 潜水士免許に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)満18歳に満たない者は、免許を受け取ることができない。
(2)免許証の交付を受けた者で、潜水業務に現に就いているものは、免許証を減失したときは、免許証の再交付を受けなくてはならない。
(3)免許証を他人に譲渡又は貸与したときは、免許の取り消し又は6か月以下の免許の効力の停止を受けることがある。
(4)免許を取り消された者は、取消しの日から3年間は免許を受けることができない。
(5)免許証の交付を受けた者で、潜水業務に就こうとするものは、氏名を変更したときは、免許証の書替えを受けなければならない。

潜水士免許を取り消された者は、1年以内に再取得する事は出来ない。
答えは(4)


問20 潜水業務に用いる次の設備・器具等のうち、厚生労働大臣が定める構造企画を具備しなければ、譲渡し。貸与し、又は設置してはならないものはどれか。
(1)送気用空気圧縮機
(2)送気ホース
(3)ボンベの圧力調整器
(4)潜水服
(5)潜水器

譲渡、貸与し、設置の制限が有るのは、潜水器と再圧室の2つです。
答えは(5)