問1 圧力の単位に関する次の文中の 内 に入れるA及びBの数値の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
「圧力計が50barを指している。この指示値をSI単位に換算すると A MPaと なり 、また、この値を気圧の単位に換算すると おおむね B atmとなる。」
A B
(1)0.5 0.5
(2)0.5 5
(3)5 5
(4)5 50
(5)50 50
単位の換算の問題です。
1bar=0.1MPa=100kPaになります。
101.33kPa=1atmになります。この問題では「おおむね」とありますので、100kPa=1atmで計算して答えを出します。
10bar=1MPa≒10atmと覚えましょう。
答えは(4)
問2 体積が10Lになったら破裂するゴム風船がある。この風船に深さ15mの水中において空気ボンベにより5Lの体積になるまで空気を注入し浮上させたとき、この風船はどうなるか。
(1)水面まで浮上しても破裂しない。
(2)水深2.5mにおいて破裂する。
(3)水深5mにおいて破裂する。
(4)水深7.5mにおいて破裂する。
(5)水深10mにおいて破裂する。
水圧と気体の体積の計算をします。
水深10mで2気圧=体積は1/2になります。
水深20mで3気圧=体積は1 /3になります。
この問題は少しややこしいので、分かりやすくするために、水深15mの空気が0mで何Lになるかを初めに計算します。
水深15mは2.5気圧になるため、5Lの気体を0mまで浮上させると、5L×2.5倍の12.5Lになります。
10Lで破裂する風船とありますので、0mでは12.5Lになり破裂することが分かります。
1気圧で12.5Lの空気が10Lまで圧縮される気圧を求めるには、12.5÷10=1.25気圧になります。
1.25気圧は水深2.5mになります。
答えは(2)
問3 気体の性質に関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)酸素は、無色・無臭の気体で、可燃物の燃焼を支える性質があるが、酸素そのものは燃えたり、爆発することはない。
(2)窒素は、常温では化学的に安定した不活性の気体である。
(3)ヘリウムは、質量が極めて大きく、他の元素と化合しにくい気体で、呼吸抵抗は少ない。
(4)一酸化炭素は、無色・無臭の有毒な気体で、物質の不完全燃焼などによって発生する。
(5)空気は、酸素、窒素、アルゴン、二酸化炭素などから構成される。
ヘリウムは、質量が極めて小さい気体です。風船に入れる気体で有名で、質量が小さい=軽いという事です。
答えは(3)
問4 気体の液体への溶解に関し、誤っているものは次のうちどれか。
ただし、温度は一定であり、その気体のその液体に対する溶解度は小さく、また、その気体はその液体と反応する気体ではないものとする。
(1)気体が液体に接しているとき、気体はヘンリーの法則に従って液体に溶解する。
(2)気体がその圧力下で液体に溶解して溶解度に達した状態、すなわち限度一杯まで溶解した状態を飽和という。
(3)0.2MPa(絶対圧力)の圧力下において一定量の液体に溶解する気体の体積は、0.1MPa(絶対圧力)の圧力下において溶解する体積の2倍となる。
(4)潜降するとき、呼吸する空気中の窒素分圧の上昇に伴って、体内に溶解する窒素量も増加する。
(5)浮上するとき、呼吸する空気中の窒素分圧の低下に伴って、体内に溶解していた窒素が体内で気泡化することがある。
液体に溶解する気体の体積は、圧力が変化しても一定です。
液体に溶解する気体の質量は、圧力に比例して増加します。
圧力が高くなると多くの気体が溶け込みますが、圧力により気体自体も圧縮されるため体積の変化はなくなります。
答えは(3)
問5 水中における光や音に関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)水中では、音に対する両耳効果が減少し、音源の方向探知が困難になる。
(2)水は空気に比べ密度が大きいので、水中では音は空気中に比べ遠くまで伝播する。
(3)水分子による光の吸収の度合いは、光の波長によって異なり、波長の長い赤色は、波長の短い青色より吸収されやすい。
(4)濁った水中では、オレンジ色や黄色で蛍光性のものが視認しやすい。
(5)光は、水と空気の境界では下の図のように居折し、顔マスクを通して水中の物体を見た場合、実際よりも大きく見える。
水中から空気に出た光は、この図では破線よりも左側に屈折します。
答えは(5)
問6 潜水の種類に関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)大気圧潜水とは、硬い殻状の耐圧殻に入って人体を水圧から守り、大気圧の状態で行う潜水のことである。
(2)環境圧潜水では、人体が潜水深度に応じた水圧を受ける。
(3)環境圧潜水は、送気式と自給気式に分類され、安全性を向上させるため、送気式潜水で潜水者がボンベを携行することがある。
(4)送気式潜水には、定量送気式と応需送気式がある。
(5)自給気式潜水で一般的に使用されている潜水器は、閉鎖回路型スクーバ式潜水器である。
自給式潜水で一般的に使用される潜水器は、「開放式」スクーバ式潜水です。開放式とは吐いた空気が水中に排出される潜水で、閉鎖回路型とは吐いた空気が水中に排出されない潜水です。
どちらも存在しますが、コスト増大と器材が大型化する事から、開放式が一般的です。
閉鎖回路型はリブリーザーとも呼ばれます。
答えは(5)
問7 潜水業務における潮流による危険性に関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)潮流の速い水域での潜水作業は、減圧症が発生する危険性が高い。
(2)潮流は、干潮と満潮がそれぞれ1日に通常2回ずつ起こることによって生じる。
(3)潮流は、開放的な海域では弱いが、湾口、水道、海峡などの狭く、複雑な海岸線をもつ海域では強くなる。
(4)上げ潮と下げ潮との間に生じる潮止まりを憩流といい、潮流の強い海域では、潜水作業はこの時間帯に行うようにする。
(5)送気式潜水では、潮流による抵抗がなるべく小さくなるよう、下の図のAに示すように送気ホースをたるませず、まっすぐに張るようにする。
送気ホースの長さ(張り具合)はBが適正です。
答えは(5)
問8 ヘルメット式潜水における潜水墜落の原因として、誤っているものは次のうちどれか。
(1)不適切なウエイトの装備
(2)潜水服のベルトの結付け不足
(3)急激な潜降
(4)さがり綱(潜降索)の不使用
(5)吹き上げ時の処理の失敗
潜水服のベルトの締め付け不足は、潜水転落ではなく吹き上げの原因になります。
答えは(2)
問9 水中拘束又は溺れに関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)送気式潜水では、水中拘束を予防するため、障害物を通過するときは、周囲を回ったり、下をくぐり抜けたりせずに、その上を越えていくようにする。
(2)スクーバ式潜水では、些細なトラブルからパニック状態に陥り、正常な判断ができなくなり、くわえている潜水器を外してしまって溺れることがある。
(3)送気式潜水では、溺れを予防するため、潜水作業船にクラッチ固定装置やスクリュー覆いを取り付ける。
(4)気管支や肺にまで水が入ってしまい窒息状態になって溺れる場合だけでなく、水が気管に入っただけで呼吸が止まって溺れる場合がある。
(5)ヘルメット式潜水では、溺れを予防するため、救命胴衣又はBCを必ず着用する。
救命胴衣やBCを着用するのは、スクーバ式潜水になります。
ヘルメット式潜水では、救命胴衣やBCは使用しません。
答えは(5)
問10 特殊な環境下における潜水に関し、誤っているものは次のうちどれか。
(1)潮流の速い水域でスクーバ式潜水を行う場合には、不測の事態に備えて命綱などを使用する。
(2)淡水よりも海水の方がわずかに浮力が大きいため、湖で行う潜水に比べて、海で行う潜水にはより多くのウエイトが必要となる。
(3)山岳部のダムなど高所域での潜水では、海面より環境圧が低いため、通常よりも短い減圧時間で減圧することができる。
(4)暗渠内潜水は、天井などの障害物により潜水者が水面に直接浮上することができないため大変危険であり、実施に際しては計画と対策が重要である。
(5)冷水中では、ウエットスーツよりドライスーツの方が体熱の損失が少ない。
高所域での潜水では、海面よりも環境圧が低いため、長い減圧時間が必要です。
環境圧が低いと、水深下との圧力差が大きくなり、減圧症のリスクが高くなります。
そのリスクを減らすため、減圧時間を長くとります。
答えは(3)