潜水士

2016年(平成28年)7月~12月の潜水士試験の過去問の解説

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潜水業務

問1 200kPaの酸素9Lと500kPaの窒素3Lを、6Lの容器に封入したときの酸素の分圧Aと窒素の分圧Bとして、正しい値の組合せは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、酸素と窒素の温度は、封入前と封入後で変わらないものとし、圧力は絶対圧力である。
    A     B
(1) 200kPa  500kPa
(2)250kPa  3001Pa
(3)300kPa  250kPa
(4)350kPa  35011Pa
(5)500kPa  200kPa

まずは1気圧での体積を計算します。
酸素の計算:1kPa=約0.01気圧であるため、200kPa=2気圧になります。
9L×2気圧=18L
窒素の計算:500kPa=5気圧になります。
3L×5気圧=15L
両方の気体を6Lの容器に封入すると、(18L+15L)÷6=5.5気圧になります。
両方の気体の圧力が5.5気圧になり、分圧は18:15になります。
酸素分圧は3気圧、窒素分圧は2.5気圧になります。
これをkPaに変換すると、酸素分圧300kPa、窒素分圧250kPaになります。
答えは(3)


問2 下図のように、質量50gのおもりを糸でつるした、質量10g、断面積4㎠、長さ30cmの細長い円柱状の浮きが、上端を水面上に出して静止している。この浮きの上端の水面からの高さ力は何cmか。
ただし、系の質量及び体積並びにおもりの体積は無視できるものとする。
浮力と重り

(1)10cm
(2)12cm
(3)15cm
(4)18cm
(5)20cm

重り(50g)と円柱の重さ(10g)を合わせると60gになります。
円柱の浮力が60gの所まで沈みます。円柱の断面積が4㎠なので、長さ1センチ当たりの体積は4㎤=浮力4gになります。
60gの浮力が必要なので60g÷4g=15cmになります。
答えは(3)


問3 気体の性質に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)酸素は、無色・無臭の気体で、可燃物の燃焼を支える性質があるが、酸素そのものは燃えたり、爆発することはない。
(2)窒素は、常温では化学的に安定した不活性の気体である。
(3)ヘリウムは、質量が極めて大きく、他の元素と化合しにくい気体で、呼吸抵抗は少ない。
(4)一酸化炭素は、無色・無臭の有毒な気体で、物質の不完全燃焼などによって発生する。
(5)空気は、酸素、窒素、アルゴン、二酸化炭素などから構成される。

ヘリウムは風船の中に入れる気体です。質量は小さくなります。(軽い)
答えは(3)


問4 気体の液体への溶解に関するAからFの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、溶解度は小さいものとし、体積は加わっている圧力の下で測るものとする。
A 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の質量は、その気体の分圧に比例する。
B 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の質量は、その気体の分圧に反比例する。
C 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の質量は、その気体の分圧にかかわらず一定である。
D 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の体積は、その気体の分圧に比例する。
E 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の体積は、その気体の分圧に反比例する。
F 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の体積は、その気体の分圧にかかわらず一定である。
(1)A、D
(2)A、F
(3)B、D
(4)C、E
(5)C、F

液体に溶け込む気体は、「質量は比例」し「体積は一定」である。
答えは(2)


問5 水中における光や音に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)水中では、音に対する両耳効果が減少し、音源の方向探知が困難になる。
(2)水は空気に比べ密度が大きいので、水中では音は空気中に比べ遠くまで伝播する。
(3)水中では、太陽光線のうち青色が最も吸収されやすいので、物が青のフィルターを通したときのように見える。
(4)濁った水中では、オレンジ色や黄色で蛍光性のものが視認しやすい。
(5)澄んだ水中でマスクを通して近距離にある物を見る場合、実際の位置より近く、また大きく見える。

水中は赤色が吸収されやすく、青色が吸収されにくい。
答えは(3)


問6 潜水の種類及び特徴に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)硬式潜水は、潜水作業者が潜水深度に応じた水圧を直接受けて潜水する方法であり、送気方法により送気式と自給気式に分類される。
(2)送気式潜水は、一般に船上のコンプレッサーによって送気を行う潜水で、比較的長時間の水中作業が可能である。
(3)自給気式潜水で一般的に使用されている潜水器は、開放回路型スクーバ式潜水器である。
(4)ヘルメット式潜水は、金属製のヘルメットとゴム製の潜水服により構成された潜水器を使用し、潜水器の構造は簡単であるが、操作には熟練が必要である。
(5)全面マスク式潜水は、送気式潜水であるが、安全性の向上のためにポンペを携行することがある。

硬式潜水は水圧の影響を受けない潜水方式です。
答えは(1)


問7 潜水業務における潮流による危険性に関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)潮流の速い水域での潜水作業は、減圧症が発生する危険性が高い。
(2)潮流は、千潮と満潮がそれぞれ1日に通常1回ずつ起こることによって生じる。
(3)潮流のある場所における水中作業で潜水作業者が潮流によって受ける抵抗は、ヘルメット式潜水が一番小さく、全面マスク式潜水、スクーバ式潜水の順に大きくなる。
(4)潮流は、湾口、水道、海峡などの狭く、複雑な海岸線をもつ海域では弱いが、開放的な海域では強い。
(5)送気式潜水では、潮流による抵抗がなるべく小さくなるよう、下図のAに示すように送気ホースをたるませず、まっすぐに張るようにする。
送気ホースの長さ

干潮と満潮は通常1日に2回ずつある。
潮流によって受ける抵抗は、潜水器等が大きい潜水方式のほうが大きくなる。
潮流は複雑な海岸線を持つ海域の方が強くなる。
送気式潜水のホースはBが良い。
答えは(1)


問8 潜水墜落又は吹き上げに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)潜水墜落では、ひとたび浮力が減少して沈降が始まると、水圧が増して浮力が更に減少するという悪循環を繰り返す。
(2)ヘルメット式潜水において、潜水服のベルトの締め付けが不足すると浮力が減少し、潜水墜落の原因となる。
(3)吹き上げは、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より高くなったときに起こる。
(4)吹き上げは、ヘルメット式潜水のほか、ドライスーツを使用する潜水においても起こる可能性がある。
(5)吹き上げ時の対応を誤ると、潜水墜落を起こすことがある。

ヘルメット式潜水でベルトの締め付けが不適切の場合は、吹き上げの原因になる。
答えは(2)


問9 水中拘束又は溺れに関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)水中拘束によって水中滞在時間が延長した場合であっても、当初の滅圧時間をきちんと守って浮上する。
(2)送気ホースを使用しないスターバ式潜水では、ロープなどに絡まる水中拘束のおそれはない。
(3)送気式潜水では、溺れを予防するため、潜水作業船にクラッチ固定装置やスクリュー覆いを取り付ける。
(4)水が気管に入っただけでは呼吸が止まることはないが、気管支や肺に入ってしまうと窒息状態になって溺れることがある。
(5)ヘルメット式潜水では、溺れを予防するため、救命胴衣又はBCを必ず着用する。

水中拘束により潜水時間が延長した場合でも、減圧時間は延長すべきである。
スクーバ式潜水でも水中拘束の可能性はある。
水が気管に入っただけで呼吸が止まることがある。
救命胴衣やBCを着用するのはスクーバ式潜水です。
答えは(3)


問10 特殊な環境下における潜水に関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)河川での潜水では、流れの速さに特に注意する必要があるので、命綱(ライフライン)を使用したり、装着するウエイト重量を増やしたりする。
(2)河口付近の水域は、一般に視界が悪いが、降雨により視界は向上するので、降雨後は潜水に適している。
(3)冷水中では、 ドライスーツよりウエットスーツの方が体熱の損失が少ない.
(4)汚染のひどい水域では、スクーバ式潜水が適している。
(5)山岳部のダムなど高所域での潜水では、環境圧が低いため、通常よりも短い減圧時間で減圧することができる。

河川付近の水域は降雨によって視界が悪くなる
ドライスーツの方が体熱の損失が少ない。
汚染のひどい水域ではスクーバ式潜水は適さない
山間部・高所での潜水は環境圧が低いため、減圧時間は長くする必要がある。
答えは(1)

送気、潜降及び浮上

問11 潜水業務に用いるコンプレッサーなどに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)予備空気槽は、コンプレッサーの故障などの事故が発生した場合に備えて、必要な空気をあらかじめ蓄えておくためのものである。
(2)コンプレッサーの機能・性能を保持するためには、原動機とコンプレッサーとの伝動部分をはじめ、冷却装置、圧縮部、潤滑油部などについて保守・点検の必要がある。
(3)僣水作業船に設置する固定式のコンプレッサーの空気取入口は、機関室の外に設置する。
(4)コンプレッサーの圧縮効率は、圧力の上昇に伴い徐々に増加する。
(5)スクーバ式潜水のボンベの充填に用いる高圧コンプレッサーの最高充填圧力は、一般に20MPaであるが30MPaの機種もある。

コンプレッサーの効率は、圧力が上昇すると低下します。

答えは(4)


問12 平均毎分20Lの呼吸を行う潜水作業者が、水深10mにおいて、内容積16L、空気圧力19MPa(ゲージ圧力)の空気ボンベを使用してスクーバ式潜水により潜水業務を行う場合の潜水可能時間に最も近いものは次のうちどれか。
ただし、空気ボンベの残圧が5 MPa(ゲージ圧力)になったら浮上するものとする.
(1)26分
(2)36分
(3)46分
(4)56分
(5)66分

タンクに入っている空気の総量を計算します。(1気圧下での)
空気は圧力が加わると、それに反比例して体積が小さくなります。
19MPaのゲージ圧の場合は、約190倍の空気が入っている事になります。
16Lのタンク×190倍=3040Lの空気がタンクに入っています。
5MPa残して浮上するので、この分は使用しないため引きます。5MPa=50倍の空気を残す。
16L×50倍=800Lは使わない空気分です。
3040L(入っている空気)-800L(使わない空気)=2240Lが実際に使える空気量になります。
毎分20L呼吸を行う潜水作業者は、水深10mでは2気圧掛かっているため、40Lの空気を消費します。
2240L÷40L=56
答えは(4)


問13 送気式潜水に使用する設備・器具に関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)全面マスク式潜水では、通常、送気ホースは、呼び径が13mmのものが使われている。
(2)流量計は、コンプレッサーと調節用空気槽の間に取り付けて、潜水作業者に送られる空気量を測る計器である。
(3)流量計には、特定の送気圧力による流量が目盛られており、その圧力以外で送気する場合は換算が必要である。
(4)フェルトを使用した空気清浄装置は、潜水作業者に送る圧縮空気に含まれる水分と油分のほか、二酸化炭素と一酸化炭素を除去する。
(5)終業後、調節用空気槽は、内部に0.1MPa(ゲージ圧力)程度の空気を残すようにしておく。

全面マスク式潜水で使われる送気ホースの呼び径は8mmです。
流量計は調節用空気送槽と潜水作業者の間に設置する。
フェルトを使用した空気清浄装置は、水分と油分を除去します。
終業後の調節用空気槽は圧力を抜く必要があります。(圧力を残すのはスクーバ式潜水の場合です。)
答えは(3)


問14 スクーバ式潜水における潜降の方法などに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)船の舷から水面までの高さが1~1.5m程度であれば、片手でマスクを押さえ、足を先にして水中に飛び込んでも支障はない。
(2)ドライスーツを装着して岸から海に入る場合には、少なくとも肩の高さまで歩いて行き、そこでスーツ内の余分な空気を排出する。
(3)BCを装着している場合、インフレーターを肩より上に上げ、排気ボタンを押して潜降を始める。
(4)潜水中の遊泳は、両腕を伸ばして体側に付け、足を静かに上下にあおるようにして行う。
(5)マスクの中に水が入ってきたときは、深く息を吸い込んでマスクの下端を顔に押し付け、鼻から強く息を吹き出してマスクの上端から水を排出する。

マスクに水が入ったときは、マスクの上端を顔に押し付け、鼻から息を吹き出しマスクの下端から水を排出します。
答えは(5)


問15 スクーバ式潜水における浮上の方法に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)BCを装着したスクーバ式潜水で浮上する場合、インフレーターを肩より上に上げ、いつでも排気ボタンを押せる状態で周囲を確認しながら、浮上する。
(2)水深が浅い場合は、救命胴衣によって速度を調節しながら浮上するようにする。
(3)浮上開始の予定時間になったとき又は残圧計の針が警戒領域に入ったときは、浮上を開始する。
(4)浮上速度の目安として、自分が排気した気泡を見ながら、その気泡を追い越さないような速度で浮上する。
(5)水面近くの障害物による危険を避けるため、上を見ながら両手を頭の上に伸ばして浮上する。

水深に関係なく救命胴衣の浮力によって浮上してはならない。救命胴衣は水面に浮上後空気を入れます。
答えは(2)


問16 生体の組織をいくつかの半飽和組織に分類して不活性ガスの分圧の計算を行うビュールマンのZH‐L16モデルにおける半飽和時間及び半飽和組織に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)環境における不活性ガスの圧力が加圧された場合に、加圧後の飽和圧力の中間の圧力まで不活性ガスが生体内に取り込まれる時間を半飽和時間という。
(2)生体の組織を、半飽和時間の違いにより、16の半飽和組織に分類し、不活性ガスの分圧を計算する。
(3)半飽和組織は、理論上の概念として考える組織(生体の構成要素)であり、特定の個々の組織を示すものではない。
(4)不活性ガスの半飽和時間が短い組織は、血流が乏しく、半飽和時間が長い組織は、血流が豊富である。
(5)すべての半飽和組織の半飽和時間は、窒素よリヘリウムの方が短い。

半飽和時間が短い組織は血流が豊富で、半飽和時間が長い組織は血流が乏しい。
答えは(4)


問17 ヘルメット式潜水器などに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)ドレーンコックは、吹き上げのおそれがある場合など緊急の排気を行うときに使用する。
(2)腰バルプは、潜水作業者自身が送気ホースからヘルメットに入る空気量の調節を行うときに使用する。
(3)ヘルメットの送気ホース取付口には逆上弁が組み込まれていて、この弁で送気の逆流を防ぐ。
(4)潜水服内の空気が下半身に入り込まないようにするため、腰部をベルトで締め付ける。
(5)ヘルメットには、正面窓のほか、両側面にも窓が設けられている。

ドレーンコックはつばなどを吐き出すために使い、吹き上げなどの排気には使用しません。
答えは(1)


問18 スクーバ式潜水に用いられるボンベ、圧力調整器(レギュレーター)などに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)ボンベには、クロムモリブデン鋼などの鋼合金で製造されたスチールボンベと、アルミ合金で製造されたアルミボンベがある。
(2)残圧計の内部には高圧がかかっているので、表示部の針は顔を近づけないで斜めに見るようにする。
(3)ボンベは、一般に、内容積が4~18Lで、充填圧力は19.6MPa(ゲージ圧力)である。
(4)圧力調整器は、高圧空気を10MPa前後に減圧するファーストステージ(第1段減圧部)と、更に潜水深度の圧力まで減圧するセカンドステージ(第2段減圧部)から構成される。
(5)ボンベヘの圧力調整器の取付けは、ファーストステージのヨークをボンベのバルブにはめ込んで、ヨークスクリューで固定する。

ファーストステージでは環境圧+1MPaの圧力に減圧されます。(環境圧は潜水深度によって変わります。)
答えは(4)


問19 全面マスク式潜水器に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)全面マスク式潜水器では、ヘルメット式潜水器に比べて多くの送気量が必要となる。
(2)全面マスク式潜水器には、全面マスクにスクーバ用のセカンドステージレギュレーターを取り付ける簡易なタイプがある。
(3)混合ガス潜水に使われる全面マスク式潜水器には、バンドマスクタイプやヘルメットタイプがある。
(4)全面マスク式潜水器のマスク内には、口と鼻を覆う口鼻マスクが取り付けられており、潜水作業者はこの口鼻マスクを介して給気を受ける。
(5)全面マスク式潜水器では、水中電話機のマイクロホンは口鼻マスク部に取り付けられ、イヤホンは耳の後ろ付近にストラップを利用して固定される。

全面マスク式潜水は応需式潜水器であるため、ヘルメット式潜水より送気量は少なくてよい。
答えは(1)


問20 潜水業務に必要な器具に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)水深計には、2本の指針により現在の水深及び潜水中の最大深度を表示する方式のものがある。
(2)潜降索(さがり網)は、丈夫で耐侯性のある素材で作られたロープで、1~2cm程度の太さのものとし、水深を示す目印として3mごとにマークを付ける。
(3)スクーバ式潜水で使用するウエットスーツには、レギュレーターから空気を入れる給気弁とスーツ内の余剰空気を排出する排気弁が付いている。
(4)ヘルメット式潜水で使用する潜水服は、体温保持と浮力調節のため内部に相当量の空気を蓄えることができる。
(5)スクーバ式潜水で使用する足ヒレで、ブーツを履いたままはめ込む方式のものをフルフィットタイプという。

吸気弁と排気弁が付いているのはドライスーツになります。
答えは(3)

高気圧障害

問1 肺及び呼吸ガスに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)肺は、膨らんだり縮んだりして空気を出し入れしているが、肺自体には膨らむ力はない。
(2)肺の表面と胸郭内側の面は、胸膜で覆われており、両者間の空間を胸膜腔という。
(3)肺呼吸は、肺内に吸い込んだ空気中の酸素を取り入れ、血液中の二酸化炭素を排出するガス交換である。
(4)ガス交換は、肺胞及び呼吸細気管支で行われるが、それらの器官から口・鼻側では行われない。
(5)二酸化炭素濃度は、通常の空気中では0.04%程度であるが、呼気中では0.4%前後となる。

呼気中の二酸化炭素濃度は3~6%程になります。
答えは(5)


問2 下の図は、人体の血液循環の経路の一部を模式的に表したものであるが、図中の血管A~Dのうち、動脈である血管の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
血液の循環図

(1)A、B
(2)A、C
(3)A、D
(4)B、C
(5)C、D

心房は血液が戻ってくる部屋、心室は血液を送り出す部屋になります。
心臓から送り出された血液が通る血管が動脈血管になります。
答えは(3)


問3 人体の神経系に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)神経系は、身体を環境に順応させたり動かしたりするために、身体の各部の動きや連携の統制をつかさどる。
(2)神経系は、中枢神経系と末梢神経系とに大別される。
(3)中枢神経系は、脳と脊髄から成っている。
(4)末梢神経系は、体性神経と自律神経から成っている。
(5)体性神経は、交感神経と副交感神経から成っている。

体制神経は「知覚神経」と「運動神経」からなっています。(「交感神経」と「副交感神経」からなっているものは自律神経です。)
答えは(5)


問4 人体に及ぼす水温の作用及び体温に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)体温は、代謝によって生じる産熱と、人体と外部環境の温度差に基づく放熱のバランスによって一定に保たれる。
(2)一般に水温が20℃以下の水中では、保温のためのウエットスーツやドライスーツの着用が必要となる。
(3)水の熱伝導率は空気の約10倍であるので、水中では、体温が奪われやすい。
(4)一般に、体温が35℃以下の状態を低体温症という。
(5)水中で体温が低下すると、震え、意識の混濁や喪失などを起こし、死に至ることもある。

水の熱伝導率は空気の26倍である。
答えは(2)


問5 次のAからEの高気圧障害について、圧外傷又は圧外傷によって引き起こされる障害に該当するものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
A 減圧症
B スクィーズ
C 窒素酔い
D 空気塞桂症
E チョークス
(1)A、B
(2)A、D
(3)B、D
(4)B、E
(5)C、E

圧外傷とは圧力による外傷の事です。減圧症、窒素酔い、チョークスは圧力により影響を受けるものですが、外傷には当てはまりません。
答えは(3)


問6 潜水による副鼻腔や耳の障害に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)潜降の途中で耳が痛くなるのは、外耳道と中耳腔との間に圧力差が生じるためである。
(2)耳管は、中耳の鼓室から咽頭に通じる管で、通常は開いているが、唾を飲み込むような場合に閉じて鼓膜内外の圧調整を行う。
(3)耳の障害の症状には、耳の痛み、閉塞感、難聴、めまいなどがある。
(4)副鼻腔の障害は、鼻の炎症などによって、前頭洞、上顎洞などの副鼻腔と鼻控を結ぶ管が塞がった状態で潜水したときに起こる。
(5)副鼻腔の障害の症状には、額の周り、目・鼻の根部の痛み、鼻出血などがある。

耳管は通常は閉じており、唾を飲み込むような場合に開きます。
答えは(2)


問7 潜水業務における酸素中毒に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)酸素中毒は、中枢神経が冒される脳酸素中毒と肺が冒される肺酸素中毒に大きく分けられる。
(2)脳酸素中毒の症状には、吐き気やめまい、耳鳴り、筋肉の震え、痙攣発作などがあり、特に痙攣発作が潜水中に起こると多くの場合致命的になる。
(3)肺酸素中毒は、肺機能の低下をもたらし、致命的になることは通常は考えられないが、肺活量が減少することがある。
(4)脳酸素中毒は、50kPa程度の酸素分圧の呼吸ガスを長時間呼吸したときに生じ、肺酸素中毒は、140~160kPa程度の酸素分圧の呼吸ガスを短時間呼吸したときに生じる。
(5)炭酸ガス中毒に罹患すると、酸素中毒にも罹患しやすくなる。

脳酸素中毒は160MPa前後の高い酸素分圧を短時間呼吸する事で発症する。肺酸素中毒は100KPa程度の酸素分圧を比較的長時間(12時間前後)呼吸すると発症するとされる。
答えは(4)


問8 窒素酔いに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)一般に、窒素分圧が4 MPa前後になると、潜水作業者には窒素酔いの症状が現れる。
(2)深い潜水における窒素酔いの予防のためには、呼吸ガスとして、空気の代わりにヘリウムと酸素の混合ガスなどを使用する。
(3)飲酒、疲労、大きな作業量、不安などは、窒素酔いを起こしやすくする。
(4)窒素酔いが誘因となって正しい判断ができず、重大な結果を招くことがある。
(5)窒素酔いにかかると、気分が愉快になり、総じて楽観的あるいは自信過剰になるが、その症状には個人差もある。

窒素酔いの症状は、おおよそ400KPaで現れ始めます(水深40m前後)。400KPaをMPaに換算すると0.4MPaになります。
単位の換算に注意しましょう。
答えは(1)


問9 医師が必要と認める期間、潜水業務への就業が禁止される疾病に該当しないものは、次のうちどれか。
(1)貧血症
(2)色覚異常
(3)アルコール中毒
(4)リウマチス
(5)肥満症

色覚異常は禁止されません。
答えは(2)


問10 一次救命処置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)傷病者に反応がない場合は、気道を確保した後、約1分間呼吸の様子を観察し、普段どおりの息(正常な呼吸)が無いと判断した場合に、心肺蘇生を行う。
(2)しゃくりあげるような途切れ途切れの呼吸がみられる場合は、心停止の直後にみられる死戦期呼吸と判断し、胸骨圧迫を開始する。
(3)気道確保は、頭部後屈あご先挙上法により行う。
(4)胸骨圧迫と人工呼吸を実施する場合には、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返す。
(5)AED(自動体外式除細動器)を用いた場合、電気ショックを行った後や電気ショック不要の音声メッセージが出たときは、胸骨圧迫を再開し心肺蘇生を続ける。

傷病者に反応がない場合は、呼吸の確認を迅速に10秒以内に行う。分からない場合は呼吸無しと判断し、直ちに心肺蘇生を行う。
答えは(1)

関係法令

問11 空気圧縮機により送気する場合の設備に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)送気を調節するための空気槽は、潜水作業者ごとに設けなければならない。
(2)予備空気槽内の空気の圧力は、常時、最高の潜水深度に相当する圧力以上でなければならない。
(3)送気を調節するための空気槽が、予備空気槽の内容積等の基準に適合するものであるときは、予備空気槽を設けなくてもよい。
(4)潜水作業者に、予備空気槽の内容積等の基準に適合する予備ボンベを携行させるときは、予備空気槽を設けなくてもよい。
(5)潜水作業者に圧力調整器を使用させるときは送気圧を計るための圧力計を、それ以外のときは送気量を計るための流量計を設けなければならない。

予備空気槽の圧力は、最高深度に相当する圧力の1.5倍以上でなければならない。
答えは(2)


問12 潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコックを操作する業務に就かせる労働者に対して行う特別の教育の教育事項として、法令上、定められていないものは次のうちどれか。
(1)潜水業務に関する知識に関すること
(2)送気に関すること
(3)高気圧障害の知識に関すること
(4)救急蘇生法に関すること
(5)送気の調節の実技

特別の教育に定められているのは次の5つです。
・潜水の業務に関する知識に関すること
・送気に関すること
・高気圧の障害の知識に関すること
・関係 法令
・送気の調節の実技
答えは(4)


問13 13潜水作業者に圧力調整器を使用しない方法で潜水させる場合、大気圧下で送気量が毎分240Lの空気圧縮機を用いて選気するとき、法令上、潜水できる最高の水深は、次のうちどれか。
(1)20m
(2)25m
(3)30m
(4)35m
(5)40m

圧力調整器を使用しない定量送気方式では、その水深で毎分60Lの空気が必要になります。
240L÷60L=4になるので、大気圧化では4倍の空気が供給されている事になります。
水圧により空気は圧縮されるため、10m潜水すると2気圧になり1/2に圧縮されます。
30mは4気圧になり1/4に圧縮されます。
答えは(3)


問14 空気圧縮機による送気式の潜水業務を行うとき、法令上、潜水前の点検が義務付けられていない潜水器具は次のうちどれか。
(1)さがり綱
(2)水中時計
(3)信号索
(4)送気管
(5)潜水器

送気式潜水の場合、業務前に点検が義務付けられている物は、潜水器・送気管・信号索・さがり綱及び圧力調整器の4つです。
時計の点検は3カ月に1回が義務付けられています。
答えは(2)


問15 潜水業務における連絡員の配置及びその職務に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)送気式による潜水業務及び自給気式による潜水業務を行うときは、潜水作業者2人以下ごとに1人の連絡員を配置する。
(2)連絡員は、潜水作業者と連絡して、その者の潜降及び浮上を適正に行わせる。
(3)連絡員は、潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコックを操作する業務に従事する者と連絡して、潜水作業者に必要な量の空気を送気させる。
(4)連絡員は、送気設備の故障その他の事故により、潜水作業者に危険又は健康障害の生ずるおそれがあるときは、速やかに潜水作業者に連絡する。
(5)連絡員は、ヘルメット式潜水器を用いて行う潜水業務にあっては、潜降直前に潜水作業者のヘルメットがかぶと台に結合されているかどうかを確認する。

連絡員が必要な潜水は送気式潜水になります。自給式潜水の場合は設置義務はありません。
答えは(1)


問16 潜水作業者の携行物に関する次の文中の     内に入れるA及びBの語旬の組合せとして、法令上、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
「潜水作業者に携行させたボンベからの給気を受けて行う潜水業務を行うときは、潜水作業者に、水中時計、  A  及び鋭利な刃物を携行させるほか、救命胴衣又は  B  を着用させなければならない。」
    A      B
(1)浮上早見表 浮力調整具
(2)コンパス  浮力調整具
(3)コンパス  ハーネス
(4)水深計   浮力調整具
(5)水深計   ハーネス

自給式潜水で必要な携行物は、水中時計、水深計、鋭利な刃物、救命胴衣又は浮力調整具(BCジャケット)です。
答えは(4)


問17 潜水業務に常時従事する労働者に対して行う高気圧業務健康診断に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)健康診断は、雇入れの際、潜水業務への配置換えの際及び潜水業務についた後6か月以内ごとに1回、定期的に行わなければならない。
(2)水深10m未満の場所での潜水業務に常時従事する労働者についても、健康診断を行わなければならない。
(3)定期的に行った健康診断を受けた労働者のうち、無所見の者を除き、再検査を必要とするもの及び異常の所見があると診断された者に対し、遅延なく、健康診断結果の通知を行わなければならない。
(4)健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者については、健康診断実施日から3か月以内に医師の意見を聴かなければならない。
(5)健康診断の結果に基づき、高気圧業務健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しなければならない。

健康診断結果は受診者全員に遅滞なく、診断結果を通知する必要があります。
答えは(3)


問18 再圧室に関するAからDの記述について、法令上、正しいものの組み合わせは(1)~(5)のうちどれか。
A 再圧室の内部に高温となって可燃物の点火源となるおそれのある物等を持ち込むことを禁止し、その旨を再圧室の入り口に掲示しておかなければならない。
B 再圧室については、設置時及びその後3か月をこえない期間ごとに、送気設備及び排気設備の作動の状況など一定の事項について点検しなければならない。
C 再圧室は、出入に必要な場合を除き、主室と副室との間の扉を閉じ、かつ、それぞれの内部の圧力を等しく保たなければなりない。
D 再圧室を使用したときは、 1週をこえない期間ごとに、使用した日時並びに加圧及び減圧の状況を記録しなければならない。
(1)A、B
(2)A、C
(3)A、D
(4)B、C
(5)V、D

主室と副室は何時でも移動可能な状態にしておく必要がある。
再圧室を使用したときは、その都度、加圧及び減圧の状況を記録した書類を作成し、これを五年間保存しなければならない。
答えは(1)


問19 潜水士免許に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)満18歳に満たないものは、免許を受けることが出来ない。
(2)免許証の交付を受けた者で、潜水業務に現に就いているものは、免許証を減失したときには、免許証の再交付を受けなければならない。
(3)免許証を他人に譲渡又は貸与したときには、免許の取消し又は6か月以下の免許の効力の停止を受けることがある。
(4)免許を取り消された者は、取消しの日から3年間は免許を受けることができない。
(5)免許証の交付を受けた者で、潜水業務に就こうとするものは、氏名を変更したときは、免許証の書替えをうけなければならない。

潜水士免許が取り消された者は、取消の日から1年間は免許を受けることができない。
答えは(4)


問20 厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない設備・器具の組み合わせとして、正しいものは次のうちどれか。
(1)空気清浄装置、潜水器
(2)空気清浄装置、再圧室
(3)再圧室、空気圧縮機
(4)潜水器、再圧室
(5)潜水器、空気圧縮機

再圧室と潜水器は厚生労働大臣が定める規格を具備しなければなりません。
答えは(4)