問1 200kPaの酸素9Lと500kPaの窒素3Lを、6Lの容器に封入したときの酸素の分圧Aと窒素の分圧Bとして、正しい値の組合せは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、酸素と窒素の温度は、封入前と封入後で変わらないものとし、圧力は絶対圧力である。
A B
(1) 200kPa 500kPa
(2)250kPa 3001Pa
(3)300kPa 250kPa
(4)350kPa 35011Pa
(5)500kPa 200kPa
まずは1気圧での体積を計算します。
酸素の計算:1kPa=約0.01気圧であるため、200kPa=2気圧になります。
9L×2気圧=18L
窒素の計算:500kPa=5気圧になります。
3L×5気圧=15L
両方の気体を6Lの容器に封入すると、(18L+15L)÷6=5.5気圧になります。
両方の気体の圧力が5.5気圧になり、分圧は18:15になります。
酸素分圧は3気圧、窒素分圧は2.5気圧になります。
これをkPaに変換すると、酸素分圧300kPa、窒素分圧250kPaになります。
答えは(3)
問2 下図のように、質量50gのおもりを糸でつるした、質量10g、断面積4㎠、長さ30cmの細長い円柱状の浮きが、上端を水面上に出して静止している。この浮きの上端の水面からの高さ力は何cmか。
ただし、系の質量及び体積並びにおもりの体積は無視できるものとする。
(1)10cm
(2)12cm
(3)15cm
(4)18cm
(5)20cm
重り(50g)と円柱の重さ(10g)を合わせると60gになります。
円柱の浮力が60gの所まで沈みます。円柱の断面積が4㎠なので、長さ1センチ当たりの体積は4㎤=浮力4gになります。
60gの浮力が必要なので60g÷4g=15cmになります。
答えは(3)
問3 気体の性質に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)酸素は、無色・無臭の気体で、可燃物の燃焼を支える性質があるが、酸素そのものは燃えたり、爆発することはない。
(2)窒素は、常温では化学的に安定した不活性の気体である。
(3)ヘリウムは、質量が極めて大きく、他の元素と化合しにくい気体で、呼吸抵抗は少ない。
(4)一酸化炭素は、無色・無臭の有毒な気体で、物質の不完全燃焼などによって発生する。
(5)空気は、酸素、窒素、アルゴン、二酸化炭素などから構成される。
ヘリウムは風船の中に入れる気体です。質量は小さくなります。(軽い)
答えは(3)
問4 気体の液体への溶解に関するAからFの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、溶解度は小さいものとし、体積は加わっている圧力の下で測るものとする。
A 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の質量は、その気体の分圧に比例する。
B 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の質量は、その気体の分圧に反比例する。
C 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の質量は、その気体の分圧にかかわらず一定である。
D 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の体積は、その気体の分圧に比例する。
E 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の体積は、その気体の分圧に反比例する。
F 温度が一定のとき、一定量の液体に溶解する気体の体積は、その気体の分圧にかかわらず一定である。
(1)A、D
(2)A、F
(3)B、D
(4)C、E
(5)C、F
液体に溶け込む気体は、「質量は比例」し「体積は一定」である。
答えは(2)
問5 水中における光や音に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)水中では、音に対する両耳効果が減少し、音源の方向探知が困難になる。
(2)水は空気に比べ密度が大きいので、水中では音は空気中に比べ遠くまで伝播する。
(3)水中では、太陽光線のうち青色が最も吸収されやすいので、物が青のフィルターを通したときのように見える。
(4)濁った水中では、オレンジ色や黄色で蛍光性のものが視認しやすい。
(5)澄んだ水中でマスクを通して近距離にある物を見る場合、実際の位置より近く、また大きく見える。
水中は赤色が吸収されやすく、青色が吸収されにくい。
答えは(3)
問6 潜水の種類及び特徴に関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)硬式潜水は、潜水作業者が潜水深度に応じた水圧を直接受けて潜水する方法であり、送気方法により送気式と自給気式に分類される。
(2)送気式潜水は、一般に船上のコンプレッサーによって送気を行う潜水で、比較的長時間の水中作業が可能である。
(3)自給気式潜水で一般的に使用されている潜水器は、開放回路型スクーバ式潜水器である。
(4)ヘルメット式潜水は、金属製のヘルメットとゴム製の潜水服により構成された潜水器を使用し、潜水器の構造は簡単であるが、操作には熟練が必要である。
(5)全面マスク式潜水は、送気式潜水であるが、安全性の向上のためにポンペを携行することがある。
硬式潜水は水圧の影響を受けない潜水方式です。
答えは(1)
問7 潜水業務における潮流による危険性に関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)潮流の速い水域での潜水作業は、減圧症が発生する危険性が高い。
(2)潮流は、千潮と満潮がそれぞれ1日に通常1回ずつ起こることによって生じる。
(3)潮流のある場所における水中作業で潜水作業者が潮流によって受ける抵抗は、ヘルメット式潜水が一番小さく、全面マスク式潜水、スクーバ式潜水の順に大きくなる。
(4)潮流は、湾口、水道、海峡などの狭く、複雑な海岸線をもつ海域では弱いが、開放的な海域では強い。
(5)送気式潜水では、潮流による抵抗がなるべく小さくなるよう、下図のAに示すように送気ホースをたるませず、まっすぐに張るようにする。
干潮と満潮は通常1日に2回ずつある。
潮流によって受ける抵抗は、潜水器等が大きい潜水方式のほうが大きくなる。
潮流は複雑な海岸線を持つ海域の方が強くなる。
送気式潜水のホースはBが良い。
答えは(1)
問8 潜水墜落又は吹き上げに関し、次のうち誤っているものはどれか。
(1)潜水墜落では、ひとたび浮力が減少して沈降が始まると、水圧が増して浮力が更に減少するという悪循環を繰り返す。
(2)ヘルメット式潜水において、潜水服のベルトの締め付けが不足すると浮力が減少し、潜水墜落の原因となる。
(3)吹き上げは、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より高くなったときに起こる。
(4)吹き上げは、ヘルメット式潜水のほか、ドライスーツを使用する潜水においても起こる可能性がある。
(5)吹き上げ時の対応を誤ると、潜水墜落を起こすことがある。
ヘルメット式潜水でベルトの締め付けが不適切の場合は、吹き上げの原因になる。
答えは(2)
問9 水中拘束又は溺れに関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)水中拘束によって水中滞在時間が延長した場合であっても、当初の滅圧時間をきちんと守って浮上する。
(2)送気ホースを使用しないスターバ式潜水では、ロープなどに絡まる水中拘束のおそれはない。
(3)送気式潜水では、溺れを予防するため、潜水作業船にクラッチ固定装置やスクリュー覆いを取り付ける。
(4)水が気管に入っただけでは呼吸が止まることはないが、気管支や肺に入ってしまうと窒息状態になって溺れることがある。
(5)ヘルメット式潜水では、溺れを予防するため、救命胴衣又はBCを必ず着用する。
水中拘束により潜水時間が延長した場合でも、減圧時間は延長すべきである。
スクーバ式潜水でも水中拘束の可能性はある。
水が気管に入っただけで呼吸が止まることがある。
救命胴衣やBCを着用するのはスクーバ式潜水です。
答えは(3)
問10 特殊な環境下における潜水に関し、次のうち正しいものはどれか。
(1)河川での潜水では、流れの速さに特に注意する必要があるので、命綱(ライフライン)を使用したり、装着するウエイト重量を増やしたりする。
(2)河口付近の水域は、一般に視界が悪いが、降雨により視界は向上するので、降雨後は潜水に適している。
(3)冷水中では、 ドライスーツよりウエットスーツの方が体熱の損失が少ない.
(4)汚染のひどい水域では、スクーバ式潜水が適している。
(5)山岳部のダムなど高所域での潜水では、環境圧が低いため、通常よりも短い減圧時間で減圧することができる。
河川付近の水域は降雨によって視界が悪くなる
ドライスーツの方が体熱の損失が少ない。
汚染のひどい水域ではスクーバ式潜水は適さない
山間部・高所での潜水は環境圧が低いため、減圧時間は長くする必要がある。
答えは(1)